9月18日、ポレポレ東中野にて『ロストパラダイス・イン・トーキョー』の初日舞台挨拶が行われ、白石和彌監督、小林且弥さん、内田慈さん、ウダタカキさんが登壇しました。

ロスパラ初日舞台あいさつ


左から白石和彌監督、小林且弥さん、内田慈さん、ウダタカキさん

 本作は、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2009で<SKIPシティ・アワード>を受賞した他、ロッテルダム、釜山、ドバイなどの国際映画祭に正式出品された白石監督の長編映画デビュー作。

 知的障害者である兄・実生と、その兄の性欲処理の為にデリヘル嬢・マリンを呼ぶ弟・幹夫。秋葉原で地下アイドル・ファラとして活動しながら風俗で働くマリンには、いつか自分だけの島を購入したいという夢を持つ。厳しい社会の中で生きて来た三人は、いつしか支え合うように……。現代社会を背景とした繊細な人間関係が、真正面からかつ爽やかに描かれた作品。

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 撮影から1年8ヶ月を経ての公開となった本作。満員の観客を前に、4名それぞれに喜びの言葉を述べられ、公開初日の舞台挨拶は始まりました。

 小林さん、内田さん、ウダさんそれぞれにまず今回の役柄についての質問があり、小林さんはまず、「ごめんなさい、覚えてないんです」とコメントし、会場は笑いに包まれます。

会場を笑いに包む小林さん

 1年8ヶ月を経ての公開に、内田さんも「とにかく一番覚えているのがすっごい寒かったことです」と。作品の中に出てくる歌の歌詞を書くことになり、白石監督と終電以降も歌詞に取り組み、緊張しながら歌い方を披露したエピソードなどが語られました。

黒いドレスが素敵な内田さん

 ウダさんは、「なかなかできない役なので、そういうものを与えていただいて感謝しています。監督と一緒に皆でシーンをやりながら作れたっていうのがすごく思い出に残っています」と役と芝居への思いを語られました。

作品中の役とは変わって、シックなスーツ姿のウダさん

 難しい役どころを絶妙な空気感で演じた三方に、白石監督は「ひとりひとりが見つからないと成立しない映画だったので、本当に助かりました」と、役者陣への思いを述べられました。


 最後に、映画の見どころを訊ねられると、小林さんは「吹いているわけじゃないんですけど、撮影中から“もしかしたらすごくいい作品になるかもな”と思った」と映画についてコメントされた後、「白石監督はこれからもっともっと映画を撮って欲しい、すごく才能のある監督だと思っていて。『リンダ リンダ リンダ』とかを撮った山下(敦弘)監督以来の衝撃を受けました。頑張ってください!」と、監督への応援メッセージを送りました。

 内田さんは、「リハーサルも結構話し合いながら作って下さって、本当に一緒に作るということをやらせて下さったなと思っていて、幸せな作品だと思っています。いろいろな受け止め方とかあると思うんですけど、“こんな運命共同体はどう?”という風な提示のつもりで皆さんに送り届けたいと内田は思っています。宜しくお願いします」と作品への思いを語りました。

 ウダさんは、「見どころというか、まず、お二人とも日常の二人と結構地続きな芝居ができる人で、それが僕にとってはすごく勉強になりました」と小林さん、内田さんとの共演について述べられ、映画については、「見てもらっての感想とかを、皆さんに言っていただけたら逆に嬉しいです、楽しみです」とコメントされました。

 最後に、白石監督が、「映画を作りたいというひとつの想いが、ひとり巻き込み、ふたり巻き込み、という風に膨らんで行って。本当にいろんな人に助けられて、僕だけの想いじゃなくて皆の想いがこういう形で映画にできたので、それを大切に、皆で頑張っていけたらいいなと思います」と長編映画デビュー作となった本作への思い入れと、キャストやスタッフ、お客さんまでへの感謝の気持ちを感慨深げに語られ、舞台挨拶は締めくくられました!


本作への想い、そして感謝の気持ちを述べられる白石監督


映画『ロストパラダイス・イン・トーキョー』
2010年9月18日(土)より、ポレポレ東中野にてレイトショー!
公式サイト http://lostparadise.seesaa.net/


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白石和彌監督、撮影の辻智彦氏へのインタビューがINTROに掲載されました!

白石監督:http://intro.ne.jp/contents/2010/09/18_1712.html
辻智彦氏:http://intro.ne.jp/contents/2010/09/18_1722.html