3月3日『スコット・ピルグリム』公開記念イベント@渋谷Tabera

hito_revi2011-03-06

ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』でコアなファンを持つエドガー・ライト監督が、最新作『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』のGW公開を前にして現在来日中。3月3日には渋谷のカフェTaberaで歓迎イベントが開催され、エドガー監督と主演のマイケル・セラが来場しました。

左から、水野美紀さん、エドガー・ライト監督、マイケル・セラさん、坂口博信さん
ガレージ・ロックバンドのベーシストにして無職の青年スコット・ピルグリムマイケル・セラ)が、理想の女性ラモーナ(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)に出会い、ひと目で恋に落ちる。だが彼女と結ばれるためには、7人の邪悪な元カレを倒さなければいけなかった!……という荒唐無稽なアクション・ラブコメである本作。日本のサブカルに多大な影響を受けたというカナダ人のブライアン・リー・オマリーのコミックを原作とし、昨年7月に世界最大級の大衆文化のコンベンションであるサンディエゴ・コミコンで上映されるとまたたく間に評判が広まるという、『第9地区』と同じパターンでのブレイクを果たしました。
その後本国での興行が振るわず、日本公開が危ぶまれていましたが、ネット上での署名活動や配給サイド及び劇場の熱意ある働きかけにより、見事公開決定! このイベントはわたなべりんたろう氏とフィリップ・クナル氏を代表とする署名活動の主催で行われたもので、公開を喜ぶ熱心なファンが詰めかけて大盛況となりました。

来日中取材予定が立て込むエドガー監督とマイケルは、イベントにも少し遅れて到着。でも登場するやテンション高いトークで会場を盛り上げてくれました。
エドガー監督は今回で3回目の来日ですが、マイケルは日本は初めて。でもさすがは若手No.1のコメディ俳優。なんと日本語も駆使して爆笑の渦を巻き起こします。「日本に来てから80%の時間はホテルの部屋で過ごしてるんだよ。もっと外を散策して、勉強中の日本語も流暢に話せるようになりたいんだけど。……ワタシハカンペ無シデ日本語ガハナシタイ!」に大拍手。

この日は応援に女優の水野美紀さんが駆け付け、ふたりが来る前には、主演を務めた園子温監督の最新作『恋の罪』の話題など、興味深いお話を披露してくれていました。エドガー監督たちにまず一言、ということで「おふたりが来るまでの間、私が繋いでいたと伝えてください」と冗談交じりに訴えると、監督はたじたじと「サンキュー」と答えるばかりでしたが、マイケルは「ボクト飲ミニイキマショウ」と日本語でナンパ! 美紀さんもこれには負けたと見えて、大笑いしながら「すごい、本当に分かって話しているんですね!」と感心していました。ほかにも通訳に向かって「ヨクイッタ!」と激励するなど、マイケルの怪しい日本語が炸裂していました。

また、エドガー監督の作品の昔からのファンである美紀さんは、マニアックな質問もいろいろ投げかけていました。『スコット・ピルグリム』には日本の双子俳優、斉藤兄弟が「カタヤナギ・ツインズ」という元カレ役で出演していますが、前2作にも双子は登場しており、何か思い入れがあるのですか?という質問には、どんな答えが返ってくるのかこちらも興味津々。でもエドガー監督もやっぱり曲者、「いや、『ツインズ』という映画が好きなんだよ。本当はダニー・デビートアーノルド・シュワルツェネッガーに出てほしかったけど、スケジュールが合わなかったのさ!」と笑いを取っていました。

ほかに興味深かったのは、マイケル・セラの日本への造詣の深さが垣間見られたこと。日本の昔の映画が大好きで、来日中にぜひ仲代達矢さんに会いたい!という大願を抱いてきたとのことでした。仲代さんは今舞台『炎の人』で忙しく、なかなか機会に恵まれないが、日本にいる間に絶対会いたいと繰り返し、エドガー監督のブログにも日本語でしたためたらしきファンレターを持つ写真がアップされていました。想いが遂げられているといいですね。
その後は『ファイナルファンタジー』の生みの親である坂口博信氏も登壇してゲームの話題に花を咲かせ、また客席からの質問を受けたりサインや握手に応えてくれたりと、短いながらもファンにとっては大満足の楽しいひとときとなりました。

ショーン・オブ・ザ・デッド』のコスプレ姿のファン

エドガー監督のサイン 「アイ・ラヴ・トーキョー!」

映画『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』は4月29日(金・祝)、渋谷のシネマライズ他にて全国順次ロードショーとなります。公開が決まったとは言え、メジャーの大作と比べると宣伝費も十分にはかけられず、強敵が揃うGWシーズンに埋もれてしまう心配もまだまだあります。インディペンデント系や、メジャーでも中規模クラスの良質な洋画をもっと日本の劇場で観られる状況にするためにも、この映画を観たいと思った人は、ぜひ署名や口コミでの応援をお願いします。
『スコット・ピルグリム』劇場公開を求める会
「人レビ」もエドガー・ライト監督とマイケル・セラのインタビューを行ってまいりました! 4月発行のフリーペーパーに掲載する予定です。興味深いお話が聴けましたので、どうぞご期待ください!


スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(2010)
SCOTT PILGRIM VS. THE WORLD
2011年4月29日(金・祝)シネマライズ他、全国順次ロードショー!
(C)2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト