わたなべりんたろう監督作『3.11 日常』初日トークショー

3.11 日常


映画ライターのわたなべりんたろうさんが初監督したドキュメンタリー映画『3.11 日常』が、12月24日より池袋シネマ・ロサにてレイトショー公開されています。東日本大震災以降感じた「何かしなければ」との切実な思いから小出裕章助教への取材を敢行し、ネットで資金調達を行う「クラウドファンディング」を利用して作り上げた作品です。出演はほかに水野美紀さん(女優)、中川敬さん(ミュージシャン)、高橋健太郎さん(音楽プロデューサー)、経済産業省前でハンストを行った若者たち。原発や被災地支援に関わる人々のお話は、日本人が目をそむけるべきではない重い事実を見せながらも、より深い「生きる」ということについてのメッセージをそれぞれ伝え、とても勇気付けてくれる作品になっています。


小泉宗仁さん、わたなべりんたろう監督、関口詩織さん

初日の24日の上映終了後には、わたなべ監督と、ハンスト参加者のおひとりである関口詩織さん、撮影の小泉宗仁さんによるトークショーが行われました。
まずはわたなべ監督からの挨拶。
わたなべ監督「今日は来てくださってありがとうございます。クリスマス・イヴに公開というのは、(動員が)やっぱり厳しかったですね。それは分かっていたんですけど、でもどうしても年内に公開したかったんです。今日観ていただいたみなさんにはぜひ周りの方々に伝えていただきたいと思います」


わたなべりんたろう監督

女子大生の詩織さんは、ちょっと緊張の面持ち。監督から「詩織ちゃんはさっき映画を観ていて恥ずかしかったということですが」と水を向けられます。

詩織さん「(スクリーンが)大き過ぎます! でもハンストのことを映画で取り上げていただいてありがとうございました。この映画のいいところは、震災後考えた人や、前から考えていた人、いろんな人を映していますが、それぞれの人が自分の好きなことをやっていいんだと分かるところだと思います」


関口詩織さん

と、映画にはあらためて感銘を受けた様子でした。また、詩織さんはハンスト後も「原発」都民投票など、様々な活動を積極的にしているそうです。

詩織さん「都民投票は今いちばん熱いですよ! 事務局も楽しいので、ぜひ遊びに来てください。あとは今マスク・プロジェクトというのをやっています。効果はもう少し調べなければならないんですけど、手縫いですごく可愛いマスクを作って、福島にどうしても住まなければならない人たちのために送るというものです。都民投票でもいいし、震災に関することじゃなくてもいいと思うので、自分がピンと来るものをやっていけばいいと思います」

撮影の小泉さんは、わたなべ監督と一緒に4月に被災地にボランティアに行った仲間のひとりです。

小泉さん「3.11で、人がいろいろ考えることは多くなったと思うんですが、そこから行動することは難しいと思います。この映画は行動した人たちの物語なので、観る人のヒントになればと思います」


小泉宗仁さん

また、小泉さんは現在園子温監督の新作の撮影に入っているとのこと。こちらも震災を題材とした作品で、避難所のシーンのエキストラを大募集しているそうですので、興味のある方はぜひご応募ください! 詳細はコチラ→ 園子温監督最新作のブログ

終演後のロビーでは、詩織さんは都民投票の、小泉さんはエキストラ募集のチラシをそれぞれ配っていました。自分のやるべきことをやりながら、人と繋がって力を出し合う姿がすがすがしく、わたなべ監督のまわりにいい人たちが集まってできた映画なのだなと思いました。


★and more……★

・INTROに私が取材したわたなべ監督インタビューが掲載されています。撮影の経緯や映画への想い、クラウドファンディングについてなども語っていただきました。
INTRO|わたなべりんたろう (監督)インタビュー:映画『3.11 日常』について【1/4】【2/4】【3/4】【4/4】

・12月23日に行われた『3.11 日常』前夜祭ではFRYING DUTCHMANが「humanERROR」を熱唱! ぜひご覧ください!




『3.11 日常』 2011年/日本/HD/79分
監督:わたなべりんたろう
出演:小出裕章 水野美紀 中川敬ソウル・フラワー・ユニオン) 高橋健太郎 関口詩織 岡本直也 山本雅昭 米原幹太
公式サイト
2011年12月24日(土)〜30(日)、池袋シネマ・ロサにて限定一週間レイトショー上映!