『ライブテープ』が吉祥寺に帰ってきた!前野健太路上ライヴ

hito_revi2010-05-02

 ミュージシャンの前野健太が元日の吉祥寺の街をアコギを抱えて歌い歩く。その姿を74分1カットで捉え切った斬新なドキュメンタリー『ライブテープ』。昨年の東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門でグランプリを獲り、年末に吉祥寺バウスシアターで公開されるや大評判となったものでした。私も予想をはるかに上回るおもしろさにすっかりマイってしまったクチ。飄々としているようでいてなかなかのエンターテイナーである前野さんの演奏は見飽きることなく、雑踏の中、このゲリラ撮影が途切れず続いていくのか?という映画的な緊張感もある。そして歌や風景からひしひしと伝わるやさしいものに、泣かされてしまったのでした……。
 以後地方を回り、4月にはドイツでの映画祭にも招かれ、息長く、そして勢いを増して転がり続けている『ライブテープ』が、このゴールデン・ウィークよりバウスシアターで凱旋上映されることに! そして初日の5月1日、前野さんのフリーライヴが行われたのでした。

 場所は先日閉店となってしまった伊勢丹吉祥寺店前。五月晴れの空の下、大勢のスタッフがピンクの風船を配っていて、とてものどかな雰囲気です。映画の中の寒さに張り詰めた空気感とは違う。前野さんも手拍子を取らせてみたり高田渡を歌ってみたり、とてもフレンドリーに観客に絡んでくると見せ、でも生々しい歌でやっぱり独特の世界に染め上げてしまうのですよね。
 ラストはリクエストを受けて「東京の空」。ただただきれいな曲に聴き惚れていると、なんと前野さんは椅子から下り地べたに寝そべってしまうのでした。空を見たかったのでしょうね。会場は商店街の中の、高い建物に挟まれた空間だったので、見上げるにはそういう姿勢を取らないとってことなのですが……。破天荒さにまたもヤられてしまったのでした。

 松江哲明監督がライヴの様子をずっとカメラに収めていましたが、このシーンではやっぱり空を撮っていたのでしょうか。この日の映像もいつか観る機会があるといいなと思います。


 さらに今回のリバイバル上映を記念して、「ライブテープ新聞」というものが発行されています。本当にスタッフから大切にされている映画なのですよね。全8面で情報満載、遊び心満載の粋な企画です。
 そして実は、私もちょっとここに登場させてもらったりしています! 最終面にツイッターに関する記事があり、その中で私のつぶやきが紹介されているのです(ちなみにアカウント@naowolfと申します〜)。かなり光栄なことですし、ツイッターの活用の仕方が上手いなあとも思いました。

1部200円です。とてもおもしろいので、映画を観たら記念にぜひ!


吉祥寺バウスシアターでの上映は、5/1(土)〜5/14(金)の2週間、連日21:00から。
リバイバル公開記念トークショーもあります!
5/6(木)=曽我部恵一松江哲明前野健太
5/7(金)=長尾謙一郎(漫画家)
5/14(金)=大谷ノブ彦ダイノジ
『ライブテープ』オフィシャルサイト http://spopro.net/livetape/