人レビがお世話になった巴里映画シネマスクールの主宰者である高野てるみ氏が、マガジンハウスより『女を磨くココ・シャネルの言葉』を上梓されました。

2008年の生誕125周年を記念して、このところココ・シャネル関連の映画や舞台が立て続けに製作されてきました。日本でも昨年『ココ・シャネル』(監督:クリスチャン・デュゲイ)、『ココ・アヴァン・シャネル』(監督:アンヌ・フォンテーヌ)の2本の映画が公開され、現在はヤン・クーネン監督の『シャネル&ストラヴィンスキー』が公開中です。
美しく革命的なデザイナーの生き方は、現代を生きる女性にも響くものがあるのでしょう。また、その波乱に満ちた人生は、どこで切り取るかによって実に様々な見え方があるのだということにも感心させられます。

本書は、そんなシャネルの60の名言を綴ったもの。恋愛に、仕事に、ファッションに、激動の時代に革新的な道を歩み、自由と成功を勝ち取った彼女の言葉は、厳しい現代社会で生きる人々に勇気を与えてくれるとともに、女を磨く珠玉のアドバイスともなっています。

著者の高野氏も、ライターや雑誌編集を経て、広告編集と映画の配給・製作会社を設立し代表を務め、映画人の育成にも尽力する先進的なキャリア・ウーマンです。敬愛するシャネルの言葉には、氏自身力づけられることが多かったのではと思います。そんな高野氏が自ら「多方面で活動してきたキャリアの集大成」と称する渾身の1冊は、夢を抱きながらも人生に悩める人々の心に深く届くことでしょう。

1月末の刊行以来好評を博し、現在は品薄の状態となっているようですが、シャネルが衣装を手がけた映画のスチール写真なども収められた美しい1冊、見かけたらぜひ手にとってみてください。

『女を磨くココ・シャネルの言葉』 高野てるみ[著]
出版社:マガジンハウス 定価:1575円